サックスは音を出すこと自体は比較的簡単な楽器ですが、そこからよい音を作っていくためにはなかなか長い道のりがあります。私もサウンドについて日々精進するところですが、今回はこれまでの経験からサックスの音を良くする方法をご紹介したいと思います。参考になれば幸いです。
自身のサックスサウンドのターニングポイント
私はこれまでいろいろなライブで演奏してきましたが、その中でも特に印象に残っているライブシリーズに「お盆にサンボーン」というものがございます。このライブの一つの特長として、爆音バックバンドを相手に2本のサックスがノーマイクで終始フルボリューム吹く、というのがあります。というかフルボリュームで吹かないとメロディが聞こえないため曲がなりたたず、フルボリュームで吹かざるを得ないライブでした(汗)
百聞は一見に如かず、こちらの動画をご覧ください。
このライブシリーズでご一緒いただいた、サックス藤井泰宏氏とのフルブロウ合戦は自身のサウンド形成において大変貴重な経験だったと思います。氏も持論の一つとして「音量は正義」とおっしゃっており、非常に共感しております。なぜか!?
良い音を出すための体の状態を体験する
フルボリュームで吹くことによって、自然と腹筋を使っていたり、自然と喉が開いていたり、良い音を出すために必要な動作を自然に行っている状態が作れると思います。この状態をまず作りましょう。もちろん最初は音が大きいだけで耳ざわりが悪かったりすると思いますが、少なくとも楽器は従来よりは鳴らせているはずです。
あくまでイメージを掴んでいただくための話ですが、音のパラメータが1~6までの6種類あるとして、オレンジの正六角形がバランスが取れていて理想のサウンドであると仮定すると、フルボリュームで吹いた状態は青い六角形のように振り切った状態になるのではないかと思います。そうすると、要素2・要素5は理想の状態を超えすぎていて、例えば「エッジが鋭すぎて耳が痛い音」ということになるかもしれません。しかし、この状態で体験した楽器の振動や体の状態は確実に次のステップにつながると思っています。
良い音の条件を一つひとつ整えていく
その後、全体のバランスを整えていくことで理想のサウンドに徐々に近づけると思いますが、やはりベースにはフルボリュームで吹いたときの状態があったほうがよいと思っています。多少無理をしてフルボリュームで吹いたからこそ、力の抜きどころも掴めてきます。とりあえずフルボリュームで吹いて尖ってみて、あとから整える、これが良いサウンドづくりへの効率的な筋道の一つではないかと思います。
サックスパーツで音を良くする
サックスにはいろんなパーツがありますので、適したパーツを交換する、追加することで手っ取り早くサウンドを改善することができます。特に今回ご紹介したフルブロウとの相性がいいパーツとしてはヤナギサワのネックジョイントスクリュー「YanyBooster」が挙げられます。
こちらの記事で詳しくレビューしていますので、参考にしてみてください。
サックスのサウンドを劇的に改善! ネックジョイントスクリュー ヤナギサワ「YanyBooster」試奏レポート