リードを制するものはサックスを制す
サックス吹きの永遠の課題といってもいいのが、状態のいいリードの確保です。
リードはサックスの部位の中でも一番口元に近く、マウスピース以上に影響力があります。
いいリードで練習してこそ無理のない演奏ができるし、何より気持ちがいい。逆に悪いリードで演奏したときのテンションの下がりようはハンパない。そして、葦でできているのでいつかはヘタる。そんな儚い存在であります。
幻のリード バンドレン青箱「HAND SELECTED」
私が現在使用しているリードは超定番、バンドレン青箱2 1/2です。10年ほど前でしょうか、この青箱に「ハンドセレクティッド」という、ちょっと高いが質がいい、当たりリードが多いものが売ってました。当時サックスのリードは10枚2000円。しかしまともに使用できるのは内2枚ほど。実質1枚1000円。ハンドセレクティッドは倍の4000円でしたが、当たりリードが6枚ほどで、実質1枚666円となかなかのコストパフォーマンスでした。しかし、そのハンドセレクトしていた外人のおばちゃんが現役を退いたため販売終了となった衝撃の事実を山野楽器で聞いたのを覚えています。
いいリードってどんなリード?
その後筆者もどのリードを使うかかなり迷走しましたが、その中でなんとなく「良いリード」がなんなのかが見えてきました。先の投稿で書いたとおり、フェイシングカーブに沿ってちゃんとしなるかどうか、またしなりが十分過ぎないか(十分過ぎると一定以上のブロウが頭打ちとなり、逆にストレスとなります) これが良いリードの大前提だと思っています。そのため、まずは固さが合っているかどうかが最低条件となります。その上で、「照明にすかすと山型になっている」「左右対称である」などの追加条件があると思います。
どうやって 出会う生み出す 良いリード
では具体的に良いリードに出会う方法を私の経験からご紹介します。
①やはりベストなサウンドを目指したい!
バンドレン トラディショナル(いわゆる青箱)2 1/2
https://www.vandoren-en.com/Traditional-Saxophone-Reeds_a3.html
様々なリードを使用してきた中で、サウンドの大きさ、サウンドの厚さ、リードの耐久性ともに高いレベルのリードです。ただし、当たりリードが少ないのが最大の欠点。しかしそれを補うリード販売所「https://www.facebook.com/CrowReeds/」経由で購入すると、なんと一枚一枚に理想の加工が施されたものを購入できるという凄い販売所です。しかも価格は通常のものの15%くらい増程度です。まさに夢のリード。
私はここにもう一加工しています。それは、このリード調整ツール「Reed Geekを使用し、リードのフェイシングカーブがスタートする位置を少し強めに削ります。こうすると、リードがしなるべきところでしなってくれ、息の効率が増し、結果楽器のサウンドが良くなります。
②買った時点で当たりリードが多い方がいい
「ウッドストーン」http://www.ishimori-online.jp/product-list/87や「雅」リードhttp://marmaduke.ocnk.net/product-list/35をおすすめします。ウッドストーンは日本が世界に誇る石森管楽器ブランドのリードです。「雅」リードは日本屈指のマウスピース職人宮武氏が取り扱うリードで、どちらも少々割高ですが当たりが多く評判は良いです。ただし、リードの疲労が比較的早く、良い状態のサウンドは上述の青箱にはかないません。
③確実に良い状態がいい
樹脂リードをオススメします。中でもこのレジェールシグネチャーやファイブラセルは非常に完成度の高い樹脂リードです。
よい状態の葦のリードには及びませんが、葦のリードと吹奏感がほぼ同じ。ピアニッシモも鳴らしやすく、フラジオも当たりまくりです。欠点というと、どんな吹き方でも均一に鳴るので、表現の幅やダイナミックレンジが葦リードよりは小さいことです。ただウォーミングアップも必要なく、常に同じ状態であることを考えると、かなりのお役立ちアイテムかと思います。私は葦のリードの感覚があるのでプラスチックリードはちょっと物足りなさを感じるため、あまり使用する機会がありません。
以上、参考になれば幸いです。