サックスは音自体は割とかんたんに出せるものの、良いサウンドの追求にはとても時間がかかります。
スケールの練習であれば楽譜という目に見えるものがあるので、ひとまずどう取り組めばよいかわかりますが、サウンドについては口の中の話になってきますので目に見えず、どれが正しい状態なのか迷走し、つい回り道をしてしまいます。
そんなつかみどころのないサウンドづくりですが、経験上良いメソッドをご紹介します。
サックスにもものまねを
サックスのサウンドの前に、もっと身近な「歌声」について考えてみたいと思います。みなさんカラオケは行ったことがあると思いますが、歌っているとそのアーティストの歌い方や声質に寄ったりしませんか。特にサザンオールスターズなんかは顕著で、歌うとほとんどの人が無意識に桑田さんぽくなるのではないでしょうか。
具体的な手段・方法は分からないものの、みなさん何かしら元の声を聴いて自分の歌声をそれに寄せる術を分かってるんじゃないかと思います。ならばそれをサックスに応用してみてはどうでしょうか!
ものまね練習するときのポイント
リードは薄いものを使用する
固さ2.5か2を使用してください。リードが固いとリード鳴らすことだけに注力せざるを得ず、サックスのサウンドをお手本に寄せていく余裕がなくなります。あわせて変なところに力が入るクセがついてしまい、悪いこと尽くしです。なお、通常の練習や本番でも青箱3以上は使わないほうがよいと思います。
マウスピースはいつもより少し差し込む
つまり基準の音程を少し高くしておくとよいです。なぜかというと、ものまねするときには自然と音程も合わせることになります。基準ピッチが高い状態で音程を合わせる⇒口の中の空間を大きくとることになる⇒音が太くなる効果も同時に期待できる からです。
曲の題材は譜面がややこしくないものを選ぶ
ジャンルとしては「スムースジャズ SmoothJazz」がおすすめです。そのほか、T-スクエアやMALTAなどもよいかもしれません。ご自身が「こんなサックスを吹きたい」というアーティストがいればベストです。また、まねるのはまずメロディーからが良いと思います。テンポが速くなく、余裕で吹けるものがいいでしょう。
カナル型イヤホン使用推奨
ものまね練習はその人になったつもりで吹くことが重要です。カナル型イヤホンで自分の音をある程度シャットアウトし、イヤホンの音:自分の音が50%:50%になるようにしましょう。(音程は合わせないといけませんので)
この状態で曲を聴きながら何度も吹くうちに、知らぬ間に音が太く、よいサウンドになっているはずです。おそらく「喉を開ける」など一般的に言われている方法論もこの練習の中で無意識に実践できているはずです。
ちなみにこのイヤホンはコスパがよく、とてもおすすめです。
おわりに 好きなサックス奏者を見つけましょう
好きなサックス奏者をコピーせよ、という話はとても有名な上達法です。まずは好きなサックス奏者(ゴール)を定めることが重要かと思います。